澤本園の川根茶

摘み取り

川根本町では4月下旬ごろから新芽が出始めます。
契約農家さん達は、このごく最初の新芽を、まずは一心二葉で手摘みします。(この初日に手摘みされた茶葉は「一番つみ荒茶」になります。)新茶時期のスタートです。
日を追い、生育を追いながら、手摘みを進めていきます。
早く芽吹く茶園、遅めの茶園など、日当たり、地質、作り、茶の品種などで違いはありますが、八十八夜頃には多くの茶園が新茶の山吹色で彩られます。
この頃からハサミ刈りも始まり、手摘みと同時進行し、最盛期となっていきます。

荒茶工場

荒茶工場で蒸された茶葉

集めた新芽は当園契約の荒茶工場に運び込みます。
最初に施される蒸し工程は、新芽を柔らかくして加工し易くするのと同時に、お茶の味と香りを決定する重要な作業です。
澤本園の茶葉の蒸し時間は、ほんの数十秒。
1~2分蒸す「深蒸し」との違いを表現する目的で「浅蒸し」とも呼ばれます。
蒸されたお茶の葉は急速に冷やされ、水分を抜きながら形を整える揉み工程を経て乾燥火入れの後、精選工程へと進みます。
山のお茶らしい針のような美しい形状を目指して「荒茶」が作られます。

審査とミーティング

翌朝、荒茶は1ロットごとに全て見本を取り、澤本園に持ち込まれます。
カルトン(黒い盆)にあけ、形状、色、手に持った時の重み、等々を注意深くみます。
白色の審査茶碗に規定量の茶葉を入れ、熱湯を注ぎ、平らなすくい網であげながら茶葉の香りをみます。
次に、茶殻を取り除き、浸出した液(茶)の味を審査匙で味わいます。浸出液の色、透明感、オリの様子なども観察します。
また、茶葉を粉砕して機器による茶成分分析を行い、データを記録します。
これらの審査結果から、それぞれの荒茶の製茶方針を決定していきます。
審査終了後、直ぐにそれぞれの荒茶工場茶師と「今日持ち込まれたお茶について」毎回しっかりと話し合い、その日の荒茶製造に反映させてもらいます。

製茶

仕上方針が決まった荒茶は、仕上茶工場に持ち込まれ仕上げ加工をおこないます。
荒茶は形状が不均一でやや水分が多いため、火入れをして乾燥させ、粉や茎を取り除いたりなどして整えていきます。
火入れの度合いや形状の作りは、審査で決定したそれぞれの荒茶に合わせて変更調整します。
通常1つまとまりの荒茶が1ロッドの「仕上茶」になります。
時には、あえて強めの火入れをするロッドや、とことんまで美しく整えるロッドなど、この後の合組(ブレンド)を見据えて作る物もあります。
数キロしかない小さなロッドから、何百キロの大きなロッドまで、新茶から2番茶終了までには100前後出来てきます。この約100種の仕上茶はそれぞれ番号を付け、冷蔵庫に保管します。

合組

(準備中です)