「茶」は世界で最も長く愛されている飲み物であり嗜好食品であると言われています。
世界中の多くの人に飲まれていますが、その詳しい歴史などはまだ明らかにされていない部分もあるようです。それでも「茶」は、アジアを中心にアフリカ、南アメリカをはじめ広く世界中で栽培されています。その多くは「紅茶」にされ、これに対し日本で生産される茶のほとんどは「緑茶」に加工されています。
植物学的にはツバキ科(Theaceae)、ツバキ属(Camellia)に属します。茶はさらにSect.Theaという節に分類され(*)、他の節の植物にないカフェイン、カテキン、テアニンなどの特有な化学成分が含まれ、これが茶の効能や品質と関係していると考えられています。
近年、特に「茶」の様々な効果が研究され注目されていますが、770年頃に著したとされている陸羽の『茶経』にも既に「寒(沈静作用)がある」と茶の薬効について示されています。

(*張 宏達(1981).中山大学学報,1:1-179.)

お茶は産地で味が違います

北は秋田県から南は沖縄県まで日本中でお茶は栽培されています。
それぞれの地域ごとに、味や香りの違いがあります。大きな理由は、その地形的な条件やお茶の種類によるものです。
またそれ以外にも、その地域好みに仕上げや合組み(ブレンド)がされている事もあります。
の特性や、食生活での嗜好の差が微妙にお茶の味造りに反映されているといえるでしょう。
自分の好きな味や香りを探したり、気分や料理に合わせてみたり、お茶をもっと楽しむためにもいろいろ飲み比べてはいかがでしょうか。お茶の世界は深くそしてとても身近で気軽です。

高いお茶は美味しい?・・・(答)本当に美味しい

これはうま味の成分と言われている全遊離アミノ酸類、全窒素、テアニン、カフェイン等の含有量が高級茶ほど明らかに高いことが分かっています(*)。
その為高級なお茶は割と無造作に煎じてもそれなりに美味しく飲めてしまうのです。「値段」と「美味しさ」には正(せい)の関係があるといえます。
ただし、6,000円のお茶は1,000円の6倍美味しいのかというと、これは感覚の問題ですのでそうとは一概にいえません。