それまでほとんど卸売りばかりだった当園が、お客様のご要望にあわせ小売を始めたのが昭和40年頃。当時はビニールと紙が二重になった既製袋にお茶を計って詰め、細くよった紙紐で口を結んで封をしていました。

その後、お茶の袋はどんどん進化。真空&窒素ガス充填方法が一般化しはじめた昭和51年に当園も機械を導入。そして昭和53年(1978年)に澤本園オリジナル袋が完成しました。
デザインは当時、当園のお得意様でもあり茶園肥料などをお願いしていた石部さん。筆もその方のオリジナルです。

「天恵の翆と芳香の結晶 生粋川根茶 名代 澤本園」
(てんけいのみどりとほうこうのけっしょう きっすいかわねちゃ なだい さわもとえん)

横の赤(朱)は「太陽の光」を、緑色は「茶畑」、青は「空」です。そして上からの金線は「黄金」を表現しています。

当時、既成のお茶袋といえばほとんどが渋い色合いばかり。当園の袋は異色で飛びぬけて派手でした。お客様の中には地味な既成の袋に詰めかえて欲しいという方もいらっしゃいました。

それから約半世紀、変わることなく使い続けすっかり当園の顔です。
今更ながらデザインしてくださった石部さんの才能に感嘆するとともに、当主はじめ、従業員一同この袋をとても自慢に思っております。