お茶の味成分について

お茶の味は主にうま味、甘味、渋味、苦味の4つの要素からできています。
その「味」作る成分は、現在わかっているだけでも数十種類がお茶の中に溶けています。
最も多いのが渋みの成分カテキン類、全体の約15%です。そして苦味の成分であるカフェインが2~3%です。
うま味や甘味の成分はアミノ酸類で、高級なお茶ほど量が多くなる傾向があります。そのうち最も多いのがテアニンで、アミノ酸全体の50%、甘味に関わっていることが判ってきました。また最近の研究で、うま味成分の主成分はグルタミン酸によるものだと考えられています。
(参考:中川致之.茶の味の成分;村松敬一郎編(1991).茶の科学,p107 他)

お茶によって淹れ方を変えてみましょう

お茶は「渋みとうま味が調和し、後味に清涼感を与えるものが良い」とされています。
これを科学的に考えると、渋みのあるカテキンとうま味の成分と言われるアミノ酸がバランス良く煎じられてるお茶が美味しいと言えます。
うま味の多い上級茶はうま味がより出るように、リーズナブルなお茶はさっぱり感が味わえるように、とお茶の格の違いによる一般的な基本の淹れ方がまずあります。
また、朝一番、食後、ほっと一息の時、寝る前、などその時々に合わせた味に淹れるのもおすすめです。

水にこだわってみましょう

川根茶の特徴お茶を入れる水が、お茶の味を左右します。

静岡県お茶と水研究会の試験資料によると「煎茶には硬度30~100、PH7~8程度の軟水が最適」と記されています。
日本の水の硬度は20~80程度のものが多いため、国内のほとんどの地区の水はいずれも煎茶に適しているといえます。
軟水でお茶を入れると、茶の成分がよく抽出され、旨味、渋味、苦味がバランスよく出て日本茶本来の味を引き出します。
一方、硬水で淹れたお茶は、さっぱりとした口当たりで、水色は明るく、滋味はやや薄くなります。
このように軟水と硬水では味わいが変わります。
ただし、硬度304mgを超える硬水は避けた方が良いと報告があります。また一方、硬度300のフランス産ミネラルウォーターで日本茶が美味しく入ったという報告もあります。
さらに軟水でも硬度が低すぎると(硬度10以下)、苦渋味を強く感じてしまい日本茶には適さなくなるとの報告もあります。

お茶には沸騰させた水が良いと言われています。
カルキ臭がある水には、沸騰後も直ぐに火を止めず5分程沸騰させ続けると効果的です。沸騰には鉄製のやかんの使用が推奨されています。
また硬水の中には沸騰させることによって硬度が下がるもの(一時硬水)もあります。
しかしながら沸騰により水中の炭酸ガスや空気は減少してしまうため、お茶の香りや味がたちにくくなると言われています。爽快感が欲しいときは沸騰させすぎないことです。

温度にこだわってみましょう

川根茶の特徴お湯の温度によってお茶の味が変わります。
簡単には『渋めのお茶が好きな人は高めのお湯で、苦手な人は低めに』です。
これはお茶の各成分の溶出する割合が温度によって異なるためです。渋み成分のカテキンは高温で良く溶け出してきます。またうま味成分のアミノ酸類はあまり高くないお湯の温度でも溶出されます。氷水で時間をかけて淹れると渋みのないうま味だけの冷茶が出来上がります。
一般的には高級なお茶は「ぬるめのお湯で」「ゆっくり時間をかけて蒸らして」「濃く」です。
リーズナブルなお茶は「熱めのお湯で」「さっと」「薄く」です。
しかしながらお茶をよく飲む方だと、高級茶でも渋味や苦みもある程度ないと、だんだん物足りなく思われるようです。高級茶でも湯温を上げるなど、お好みの温度を探求してみてください。

川根茶は2煎、3煎も召し上がってください

伝統的な製法で仕上げられた川根茶は「持ちが良い」お茶としても知られています。2煎め、3煎めもぜひ召し上がってください。
美味しくいただくコツは、急須にお湯を残さないでしっかり注ぎきる事、そして2煎目用の茶葉が蒸れ過ぎないよう急須の蓋はずらすか開けて置く事、2煎め以降は少し熱めのお湯でさっと淹れる事、です。